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ルィスフガーデン

鏡よ鏡。もう少し手加減しておくれ。自分の美しさで目が眩んでまともに鏡も見られない。

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ディレイドマスカーカレイド 仮面ライダー ディケイド外伝 仮面ライダー ディレイド

 多元宇宙の接触崩壊の危機回避に奔走するディケイド、ディエンド。
 彼らによって九つの世界は各々の滅びを回避できたが、彼らが通過した後の世界では巻き込まれた後遺症とも言うべき異常が起きていた。
 そんな世界救済の後始末に現れたその者の名は『ディレイド』。
 並行世界の危機は、ディケイドらの通りすがりの干渉により、吹き抜けた風に乱された砂絵のように逆方向のマーブル模様を描き出し、時間差で巡る万華鏡は全ての仮面を巻き込んで新たなヴィジョンを紡ぎ出す。

 九つの世界を横断し、その瞳は何を見るのか。





◆◆まえがき◆◆


 こちらは、基本的に鉄槻オリジナルキャラクターで構成される『仮面ライダー ディケイド』の外伝的ストーリーです。
 「九つの世界とライダー」は流用されますが、世界観に若干のズレがあるほか、原作のメインキャラクターはほとんど出てきませんので御注意下さい。


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テーマ:仮面ライダー - ジャンル:サブカル

ディレイドマスカーカレイド track.1 プロローグ

 私、神楽見 瞳子(かぐらみ・とうこ)の人生は、二十歳を以て突然の世界の終焉と共に終わりを告げようとしていた。
 ライトノベルとかゲームのイラストレーターを目指してイラストレーションの専門学校に入ったはいいけれど、別に卒業資格を得たからって即なにかでデビューできるわけでもないという、そんな当たり前のことにも気付かずに、思い描いていた自分の夢が本当に夢物語に過ぎないのだという現実を知ったのが、ついこないだのこと。
 じき専門学校の卒業を控えたこの時期に至って、その後の人生の宛を全く考えていなかったことに気付いた私は、アパートでひとり、途方に暮れていたところだった。
 顔もスタイルも十人、いや百人並。特にファッションとかには興味もないし、我ながら野暮ったいメガネのせいで男から評価されたことなど一度もない。別に評価して欲しくもないけど。
 頭だって、とりたてて良いということもない。高校までの学力は平均値やや下という有様。私の成績はみんなの頑張りに反して平均から上になったり下になったりするのだ。
 資格も特に持ち合わせておらず、一人暮らし特有の横着な簡単料理しかまともにできない私の唯一の取り柄と言ったら、絵を描くことだけ。
 それで食っていく見通しが立たない今、もうそれだけでいずれ死ぬ、イコール人生が、世界が終わるも同然の絶望感に包まれた。
 だけど、そんなものとは比べ物にならないくらい凄まじい「世界の終焉」がやってきたんだ。
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ディレイドマスカーカレイド track.2 瞳子の世界

 はっ、と、唐突に我に返った。
「あ……あれ?」
 変な感じがした。まるで長い夢から醒めたような。
 そんなはずはない。目の前の光景は何一つ変わることなく、遠くからこちらに向かって飛んでくる化け物たちは、今だってああして私のことを殺そうと迫ってきている最中なのだ。
「あれ? ……え?」
 だけど、私は目に映る光景に違和感を覚えた。
 なにかがおかしい。
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ディレイドマスカーカレイド track.3 クウガの世界

 白昼の街中。
 巨大なスクランブル交差点を大勢の人々が複雑に行き交う雑踏の只中。
 その瞬間そこに存在する全ての人間の視界の及ばぬ所、全ての人間の「死角」からディレイドこと神楽見 透が現れた。
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ディレイドマスカーカレイド track.4 クウガの世界

 陽光にきらめく先鋭的な高層建築物の群を抜け、だが昼だというのに人気の少ないビル街のとある一角へと、黄色と白のバイク「マシンディレイダー」に跨った透と瞳子がやってきた。
 パソコンのハードディスクのような回転音しかしない異常に静粛なバイクを見下ろして、タンデムシートに座る瞳子は青い顔をして呟いた。
「……ねえ。エコブームは理解してるし、電動が静かなのはいいんだけど、あんまり静かって言うか無音で走ってると、そのうちヒト撥ねかねないんじゃない?」
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ディレイドマスカーカレイド track.5 龍騎の世界

 重厚な木目の壁に四方を囲まれた広大なその部屋の中は、高い天井付近に立ちこめる煙草の煙のような重苦しい雰囲気に包まれていた。
 巨大な円形のテーブルを囲んで座る十数人のスーツ姿の男女。年齢もまちまちな彼らがそれぞれ個性溢れるしかめっ面で一様に見つめているその先には、唯一円卓の縁に立つ異形の姿があった。
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ディレイドマスカーカレイド track.6 龍騎の世界

「いや〜、大変なことになっちゃったねぇ〜」
「も〜! 北尾先生はどーしてそんなに楽観的なんですかぁ!?」
 瞳子は隣を歩く先輩弁護士、北尾 秀一(きたお・しゅういち)に呆れ声を返した。
「本当に大変なのは「仮面ライダー」だからだよぉ。僕が戦うわけじゃないしぃ」
 北尾は、女性に評判の甘いマスクを朗らかに弛緩させ、あくまでも気楽にその手の緑色の板──「ゾルダのカードデッキ」を手の中でくるくると弄ぶ。
「もー! 今度は事情が違っちゃってるじゃないですかぁ!今度は負けたら死んじゃうんですよぉ!? 裁判制度の変更とかその後のことだってぜんぜん決まってないし」
 ぷんすかと文句を並べ立てる瞳子。
 だが北尾は一切意に介さない。
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ディレイドマスカーカレイド track.7 龍騎の世界

 「いかなる黒でも白にする」と、あまりよろしくない方向で大絶賛のスーパー弁護士・北尾 秀一の事務所に、翌日、妙な珍客が現れた。
「どうも!俺、「Atasiジャーナル」って情報誌のカメラマンやってます、「辰巳 真司(たつみ・しんじ)」って言います!で、こっちは「|羽黒 蓮(はぐろ・れん)」」
「勝手にヒトの紹介までするな。と言うかライターの俺よりカメラマンがしゃしゃり出てどうする」
 「俺」なんだか「アタシ」なんだかどっちだよ、と思いつつ、瞳子は最近覚えた社交用の半笑いを浮かべていた。
「はあ。……はは」
 対応に出た瞳子の前に突き出された名刺には、所属の名称と職業の次になぜか片仮名で「タツミ シンジ」と大きく書かれており、漢字の名はその下に小さく書かれている。
「変わってるでしょ?これだとイッパツで読みやすいし、覚えやすいし」
 ラフな格好の辰巳 真司は、にこにこと人懐っこい笑顔で解説する。
「失礼しました。「Atasiジャーナル」でライターやってます、羽黒 蓮と申します」
 こちらは、フランクな相方とは対照的な、黒で統一された服装がよく似合う落ち着いた雰囲気の男だった。
 そして名刺は普通の名刺だった。
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ディレイドマスカーカレイド track.8 クウガの世界

 神楽見 瞳子巡査が自転車で走り回るこの街の光景は、異様なことになっていた。
 あらゆる建物の窓という窓が全て紙や布などで覆い尽くされ、道路の反射鏡は例外なく袋を被せられ、自動車のボディなどツヤのある素材もことごとく隠されていた。
 それもこれも、「鏡の中をうろつく怪物」から市民を守るため。
 ある日突然現れたヤツらは、鏡の中から人々に襲いかかり、ある怪物などは現実世界に飛び出して暴れるなどもした。
 こちら側に出てきた怪物には銃弾は効かず、鏡の中に逃げ込まれては、その鏡を割ってももはや意味はなく、一切の手出しができなくなる。
 こうして鏡や鏡面効果を持つ物を塞ぎ尽くすことでしか、人々が身を守る術はなかった。
 そして瞳子は今、そんな街中をパトロール中であった。
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ディレイドマスカーカレイド track.9 アギトの世界

 ちりんちりんん……。
 間の抜けたベルを鳴らしながら、郵便配達の自転車が荷車を牽いてのんびりと道を辿る。
 ペダルを漕ぐ配達員は小柄な女性、神楽見 瞳子。
 だぶだぶの制服に身を包み、朗らかな笑顔で家並を抜けてゆく。
「〜♪」
 鼻歌までこぼれ出す程の和みぶり。
 ぎいこ、ぎいことペダルのきしみが長閑な鼻歌に音色を添えた。
「〜あれ?」
 途中、瞳子は鼻歌をやめ小首をかしげた。
 どういう訳か、突然自転車のペダルが重くなったのだ。
 上り坂に入ったわけでもないのに。
「ん〜。おもい〜」
 それほど困った様子もない顔で力を込める。
「あれえ〜。なんでえ〜」
 一生懸命ペダルを漕ぐ。
 だが、自転車は一向に軽くならない。
「瞳子」
 そこに、後ろから透の声がかかった。
「な〜に〜?」
 眉をVの字にしてひたすら前を睨み付け、ペダルを漕ぎ続けながら瞳子は返事をした。
「事情を説明してくれないか?」
「ん〜。あとでねえ〜」
 閑静な住宅街の中を、配達物用コンテナに後ろ向きで腰掛けた透を乗せたまま、瞳子が懸命に漕ぐ自転車がゆっくりと通り抜けて行った。

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