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ルィスフガーデン

鏡よ鏡。もう少し手加減しておくれ。自分の美しさで目が眩んでまともに鏡も見られない。

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ディレイドマスカーカレイド track.23 響鬼の世界

瞳子は鬼に変身した威吹鬼に横抱きにかかえられ、森の中の道なき道を大きく跳躍を繰り返して進行していた。
『いやあ。役得だなあ。瞳子くんを抱っこできるなんて。』
跳躍中、威吹鬼がそんな軽口を叩くが、瞳子はジト目でそんな威吹鬼の無貌を睨み付けた。
「威吹鬼名誉師範。そういう軽いトコを引き締めてくれたら、もっと素敵になるのに。あと、今回の事は、ひとつ大きな貸しですからね!?」
『それじゃあ、今のこの瞳子くんの「足」になってることでチャラにしてよ。』
「……もう。」
『それに、そういうおしゃべりしてもらえるなんて、僕はうれしいなあ。』
「…………。」
緊張が逆噴射したせいで色々タガのかけ違えが起きてるような感じを瞳子は自覚してはいる。
ぶっちゃけて「ハイになってる」という状態だ。
そのおかげで弟子にあるまじき口調が止まらないのだが、威吹鬼は一切咎めなかった。
『あ。来た。』

「え?」
そう言った威吹鬼は次の跳躍で巨木の横の僅かに拓けた場所に着地して瞳子を降ろした。
そこへ、ディレイドと鬼の姿に変じた響鬼が駆けつけてくる。
「透!明日夢君!」
『うむ。瞳子。』
目の前までやって来たディレイドは、三人を眺め遣って告げた。
『状況は切迫している。説明は後だ。各自迅速に判断して進行してくれ。』
『そうだ!威吹鬼さん!ザ斬鬼さんが大変で……』
慌てた様子で説明しようとした響鬼に威吹鬼が掌を突き出して窘めた。
『響鬼君。今は彼の言ったとおり、急いでいるので状況に疑問を挟まずに、各自思ったことを進めるように。どんな異常が起こっても、冷静に対処すること。いいですね。』
『あ……』
そうだ。無駄話をしている暇はない。
敵はワーム。かつては唯一対抗できるのがザ斬鬼だけであり、対処が困難になるであろうことは斬鬼・威吹鬼・響鬼全員が承知の上だったはずだ。
そして今はなぜかあのディケイドと同種の存在が介入してくれている。
そのディレイドが「やる」と言っているのだ。ならば後は目的の達成のために邁進するのみ。
『はい!』
『よし。まずは瞳子。こちらへ来い。』
「はい。……なに?」
呼ばれて近寄ったはいいが、戦力外の自分にいったい何の用事だろうと瞳子は訝しんだ。
ディスクアニマルには、「瞳子にできることがあるから来い」と記録されていたのだが……。
ディレイドはディレイドライバー・カレイドブレイドを取り出し、左手の指先に一枚のカードを抜き出して示した。
『かつて、お前がウィブと接続したことの副産物だ。あの時お前から逆流してきてな。ディケイドが構築したデータを流用することしかできなかった俺の機能に、新規のプログラムを構築できる可能性が生まれたのだ。』
「……!? それ!?」
言いながらディレイドがかざしたカードには、仮面ライダーの顔ではなく、武器や装備でもなく、人間の顔が写し出されていた。
神楽見 瞳子の顔が。
「なんですかそれわぁ!?」
『これをこうして』
「ちょっと透まちなさい!?」
だが止める手の届かぬうちにあっさりとカードをディレイドライバーに挿し入れたディレイドは、とっととスライドカバーを閉塞してしまった。
そして虚空を一閃させる。
斬撃の軌跡にQRコードに似たディレイド自身のライダーズクレストが出現したその時。
呆然と見送る瞳子の瞳が黄色に輝いた。
「え……!?」
『新たなアプリケーションの熟成に時間がかかったが、ようやく完成した。』
ディレイドから接続されている瞳子の中のライドピラーから迅速にプログラムデータが流入してくる。
それは九つの世界全ての瞳子の記憶容量と人格領域の一部に干渉し、瞳子の中に新たな概念と選択肢と知識が形成される。
やがてアップロードが終了した時には、瞳子には己が次にどうすればいいのかがもう分かっていた。
「……透。アップロードが終わった。でも急ぐんでしょ?試行は無しでいきなり始めていいよね?」
『ああ。やってくれ。』
「んじゃ。……ほら」
響鬼と威吹鬼がきょとんとする中で、瞳子はきびきびと動くとディレイドの肘を突いて前を向かせ、自分はディレイドの背後に立った。
そして、いきなり背後からディレイドを抱き締めた。
背中に顔を埋め、腹に回した両手をディレイドベルト・カレイドサーキットの無骨な鉄塊のようなバックルの上で組んでぎゅっと握りしめる。
『……あの、瞳子くん?』
あまりにも場違いな行動に訝しげに威吹鬼が問いかけるが、瞳子は無視してそれを進行した。
「……スクエア・フォーム。」
瞳子が呟いた瞬間。
瞳子の全身から黄色の光が放出し、輪郭も分からなくなるほど光量を上げると、その人影の形を崩しみるみる体積を縮めてゆく。
やがて瞳子だった光はディレイドの腹部に巻き付きベルトの上に重なると、ベルトの形状が変化を始めた。
全体の無骨なシルエットがなだらかなカーブに変じ、シャープな外観に生まれ変わる。
光の奔流が収まった跡には瞳子はおらず、ディレイドの腰に新たなベルトが出現していた。
白いプレートの中央に赤い丸型ウィンドウを填めたバックルはディケイドのベルトに良く似ているが、それよりはやや細長く、それを取り巻くフレームは、まるで何かをすくい上げるかのような形の両掌を連想させる形状をしている。
だが変化はまだ終わらない。
ディレイド自身の装甲各部が迅速にスライドし展開変形してゆく。
そして体中を走るパラレルラインの間や装甲の下から、太陽電池・ソーラーセルのような輝くプレートが現れた。
スライドした装甲が再配置され、全体のシルエットを僅かに変えて変化は完了した。
『システム・スクエアフォーム。展開を正常に完了。デュアルコンバーターの初期化完了。「クライン・ボトル」からの新規エネルギー供給経路オープン。ライドピラー・ターミナルの再接続を確認。ライドカードを全て上書きします。完了。 透。スタートアップ完了しました。』
『うむ。』
ベルトから瞳子の淀みないオペレーティングの声が聞こえ、透はその報告にうなずいた。
呆然としている威吹鬼と響鬼を完全に置き去りにディレイドは手順を進める。
ディレイドは、ベルトバックルの左側、掌の形をしたフレームを掴むとそれを左へ引いた。
すると中央のバックルが右上を基点に九十度回転して縦になった。
続いて翻した左手の指先に一枚のカードを抜き放つと、それを縦になったバックルの側面に現れたスリットに挿し込み、左手で払うようにバックルを引き倒し元の位置に戻す。
《カメンライドゥ・ファ・ファイズ!》
ベルトバックルから赤い光線が伸びてディレイドの身体に四肢五体に沿った幾何学模様を描くと、その隙間を埋めるように黒い装甲が包み込み、今度はディレイドのベルトだけを残してその姿を「仮面ライダー ファイズ」のものへと変移させた。
続いてディレイドはもう一枚カードを抜き出し、今度はそれをディレイドライバーのスリットに挿し入れ抜刀の動作でスライドカバーを閉塞する。
《デュアルカメンライドゥ・カ・カブト!》
音声が、初めて聞く認証を告げると、カレイドブレイドの指令を受け、ベルトがドット柄のノイズに包まれて変移してゆく。
分離して飛び出した部品を、変化したベルトのセットアップレールに右から滑らせるように装着すると、それは「仮面ライダー カブト」のベルトとなった。
ディレイドは迅速にゼクターホーンを引き倒す。
《キャスト・オフ! チェンジ・ビートル!》
ハニカム構造状に展開構成されたマスクドアーマーをとっととパージすると、そこには「仮面ライダー カブトのベルトを装着した仮面ライダー ファイズ」の姿が現れた。
これが、ディケイドのフォローバックアップモジュールに過ぎなかったはずのディレイドが自ら編み出した拡張機能「スクエアフォーム」。
ベルトを変身ツールとはしていない音撃戦士はその異常には気付かないが、かつて見たディケイドとは違う手順を展開したディレイドの能力に完全に言葉を失っているようだ。
『デュアルコンバーターは正常に作動中。問題ないよ、透。』
『そうか。』
瞳子の報告にいつも通りの声で応え、ディレイドは三度、カードを引き抜いた。
そしてそれをディレイドライバーに挿し入れる。
《ファイナルフォームライドゥ・ヒ・ヒビキ!》
抜刀の動作でスライドカバーを閉塞したディレイドは、今度は響鬼の方に向き直った。
『さて。 おい響鬼。行くぞ。』
『……はい?』
上擦った声で聞き返した響鬼に、ディレイドは躊躇なくカレイドブレイドを振り降ろした。
『明日夢君危ない!?』
『うひゃーーー!?』
ディレイドの機能の発現の仕方を知らない威吹鬼が呼び名を間違えて絶叫し、完全に失念していた響鬼がその感覚に悲鳴を上げた。
宙に浮かび、迅速に回転し変形・変移してゆく響鬼の身体。
『ちが、違う!? 今のは聞き返したのであって』
『知らん。ちゃんと断ったぞ。』
巨大アカネタカがばたばたと喚くのを一蹴し、ディレイドはベルト側面に手を遣り威吹鬼に顔を向けた。
『俺と響鬼は先に行く。お前は後から来い。』
言うだけ言い置いて、ディレイドはスラップスイッチを叩いて加速空間に突入していった。
同期しているアカネタカも追従して姿を消す。
そこには、呆然と佇む威吹鬼一人が残された。

『はははははははは死ね死ね死ね死ねぇ!』
『うおおおおおおおお!』
群青の甲殻と漆黒の甲殻の殴り合いは未だに続いていた。
ワームといえど、ずっと加速し続けることはできない。クロックアップはあくまでも体内器官のひとつの作用であり、例えば人間が全力疾走を続けられないのに似ている。
互いに牽制し合いながら、互いの体力を見極めてクロックアップ・解除を繰り返し戦い続けている。
ワーム同士の戦いでは、いかにより早く加速空間に飛び込み、より長く加速していられるかが勝負の分かれ目になる。
相手より早く加速空間に入りたいが、タイミングによっては相手より早く加速空間で力尽きることになる。
その差は、僅かでもいい。
それをお互いに探りながら、今のところ二体は全く同時に動いていた。
カッシスワームは、加速中にも「フリーズ」を使うことができるが、それには若干の集中と規定の動作が必要な技。だがそれをさせまいと間断なくウカワームが攻撃を仕掛けてくるため発揮できずにいる。これは戦闘開始直後に一瞬早く加速空間に飛び込んだザ斬鬼の勝ちであった。
それ以降は完全に互角の戦いとなっていた。
否。カッシスワームの足を止めることができていた。
『ハッハハ!分かってるんだろう!あのモンスターを取り込んだこの俺は、もはやただの攻撃では殺せないぞ!いずれ消耗して貴様の死だ!』
『…………。』
言葉による牽制か、ノギレイジの哄笑に内心でほぞを噛むザ斬鬼。確かにこのままではジリ貧だ。
(いや、待てよ?異種族を取り込んだのは、ヤツだけではない!)
あることに閃いたザ斬鬼は、通常空間中、次のタイミングでクロックアップすると、同様に同時にクロックアップしたカッシスワームに背を向けその方向に走り出した。
木陰で停止している、斬鬼に向かって。
(俺は「鬼」でもある!音撃ならばヤツを滅ぼせる!)
鬼の変身具は、各個人ごとにその音のチューニングが必要で、誰かの物を借りて変身することは不可能となっている。
だが、擬態元の斬鬼の物なら話は別だ。
一人ひとつしか持っていないためザ斬鬼は手ぶらだったが、今こそそれを借り受ける時だ。
そこにいる斬鬼の手首に手を伸ばした。
加速したのはザ斬鬼の方が僅かに速かった。攻撃を警戒したカッシスワームの追撃は遅れるはずだ。
そう思っていた。
だが、その直前で手が止まってしまった。
ザ斬鬼の身体ごと。
『……なに?』
突然前進が停止したのはなぜか。
ふと見下ろすと、胸から一本の群青の細長い棒が生え、それが地面に突き刺さり身体を縫い止めていたのだ。
『……焦ったな。』
『ば、ばかな……』
背後から聞こえる、カッシスワームの嘲りにザ斬鬼はかすれた声で呻いた。

『……はっ!?』
変態したワーム成体をザ斬鬼に任せて木陰に隠れてから、数瞬辺りの気配が変化したのに気付いた斬鬼は、突然目の前に現れた光景に唖然とした。
突如、こちらに手を伸ばして突っ伏している人間態のザ斬鬼が現れ、その背中にステッキを突き刺して地面に縫い止めている例の黒コートの男がその後ろにいたのだ。
『……なっ!?』
クロックアップ中にいったいなにが起こったのか。
ザ斬鬼は諦めることなく斬鬼に向かって何かを求め手を伸ばしている。
「……かっ、そ、その、おんっ、かを……」
「小賢しいんだよこの下等がっ!」
「っがああああああああ!?」
男が怨嗟と共にステッキを捻り上げた。
『ザ斬鬼ぃ!?』
斬鬼は怒号をあげて男に襲いかかった。
だが男はろくに見向きもせずに振り下ろされてきた音撃真弦の腹を片手で叩いて逸らすと同じ拳で斬鬼の手首を打ち砕いた。
『ッグオオオッ!?』
砕かれた前腕の甲殻をおさえ倒れ込む斬鬼。
その時、ようやくザ斬鬼の意図を察した斬鬼は激痛の中で外した音枷をザ斬鬼の手元へ放り投げた。
『使えっ!』
「バカか!?」
突き刺したステッキを軸に跳躍した男の足がその音枷を蹴り払った。
ザ斬鬼の苦鳴が漏れる。
「つくづく小賢しい!もう一瞬で死ね!」
『ザ斬鬼ぃ!』
そして男がその身を揺らめかせ、二周りも体積を膨張させると凶々しい群青色のワームの正体を現した。
ステッキも擬態を解いて腕から伸びる長大な鉤爪となったそれを引き抜き振り上げて。
その瞬間 群青の異形の姿が消し飛び、代わって同じ場所に見知らぬ黒いボディアーマーを纏った何者かと巨大アカネタカが出現していた。
『……行くぞ響鬼。クロックアップ。』
その声がディレイドのものであると気付いた瞬間には、それは再び姿を消していた。

突然の攻撃に吹き飛ばされつつも、カッシスワームは冷静にクロックアップし身を回転させて着地した。
そこに駆け寄って来る見たこともない黒いマスクドライダーと機械鳥を睨み、カッシスワームは怒号をあげた。
『ゼクトが今頃いったい何の用だ!』
『貴様を倒しに来た。』
淡々と冷静に言い返したディレイドは、ワームに駆け寄りながらカードを引き抜きディレイドライバーに挿し入れた。
《フォームライドゥ・ファイズ・アクセル!》
認証の音声が告げると、胸郭が分離して僅かに浮き上がり、両肩を基点に回転すると、再び装着される。
続いて体表面を走る血管のような赤のフォトンストリームが迅速にシルバーに変色し、顔面の巨大な真円のセンサーが黄色から赤に変わった。
胸郭の内部構造を露出した、これが仮面ライダー ファイズの超加速モード「アクセルフォーム」。
『ハッ!それがどうした!有象無象はこの一瞬で全て真っ平らになるがいい!』
叫ぶカッシスワームが右手を振りかざした。その右手が握り込まれながら迅速に下げられてゆく。
ディレイドは左手首に装着されていたリストウォッチ型のツールに手を伸ばし、その表面のボタンを押し込んだ。
《スタートアップ。》
システムが認証を告げた瞬間、ディレイドと響鬼以外の全てが停止していた世界の中、目前のカッシスワームまでもが右肘を下げきりながらその身動きをゆっくりと止めた。
「フリーズ」を、越えた。
「仮面ライダー カブト」のクロックアップ機能によって数千倍の加速状態になった中で、さらに「仮面ライダー ファイズ・アクセルフォーム」の超加速モードが一千倍の加速を加えたのだ。
もはや何者も彼らには追い付けない。
これが透と瞳子の二人で編み出したディレイド・スクエアフォームの威力。二種のカメンライドを同時施行し、ふたつを掛け合わせて|二乗《スクエア》の力を発揮する。
《ファイナルアタックライドゥ・ヒ・ヒビキ!》
最後のカードを挿し入れ、飛びながら巨大音撃鼓に変形した響鬼はその勢いのままカッシスワームの身体に飛び込んだ。
その勢いだけでカッシスワームの腕や足がゆっくりと引き千切れてゆく。
『はあああああ!』
続いて飛び込んだディレイドが、展開された三つ巴の光陣にカレイドブレイドの横面を思いっ切り叩き込んだ。
最早どの威力が功を奏したのか分からない程の攻撃を喰らい、カッシスワームは緑色の炎を撒き散らして迅速に爆発消滅した。

「別の世界に魔化魍が現れた。俺に代わってそれを始末してもらいたい。」
「ふん。」
「ほお。」
「ええと……」
先刻の小川のほとり、斬鬼が用意したテントの前で、ディレイドの説明に斬鬼・威吹鬼・明日夢の三人が、めいめい曖昧に相槌を打つ。
瞳子とザ斬鬼は、どちらともない位置に立ってその様子を見ていた。
「……ふん。やっぱり俺はしばらく死んでないと駄目みたいだな。」
やがて斬鬼がぼやくように言った。
頭を掻くその手首の骨折は既に自力で治癒している。
「結局ザ斬鬼には逃げたワームを追跡してもらわねばならんし、むしろ俺もこのまま出かけたほうが都合がいい。」
言って立ち上がる斬鬼に、威吹鬼が歩み寄った。
「でも、弦だけでは相手によっては困難な場合があります。ここは僕も協力しましょう。」
「威吹鬼さん!?」
「威吹鬼名誉師範!?」
明日夢と瞳子の叫びが重なった。
「既に師範はいますし、もうそろそろ僕がいなくても大丈夫にならなくては。良い機会ですよ。」
言ってにっこり笑む威吹鬼。
「あ、あの、なら、僕も!」
「馬鹿者。」
慌てて進み出た明日夢に斬鬼から叱責が飛んだ。
「ひとりしかいない鼓の鬼がいなくなってどうする。お前はまだ、自分の世界で己を磨く時期だ。」
「そうですよ。僕たちは、引退して自由の身だからできることです。」
「…………わかりました。」
うつむいて、唇を噛む明日夢。
「なら、俺はそろそろ行こう。」
言って、ザ斬鬼が山の奥の方を目指して歩き出した。
結局、胸板を貫かれたことは致命傷にはならなかったらしい。
「響鬼。連絡はこまめに送る。対応を頼むぞ。」
「はい!」
「なら透。俺たちを連れて行け。」
「いいだろう。ついて来い。」
斬鬼の申し出にうなずいて、透も振り向いて歩いてゆく。
「斬鬼さん!威吹鬼さん!」
その後ろ姿に明日夢が声をかけた。
「お気をつけて!」
言って、頭を深々と下げた。
「おう。」
「ええ。あとをしばらく頼みます。瞳子さんも。」
「はい!」
そうして、彼らは河原から各々の方向へ歩み去って行った。


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坂口 拓さんもといカッシスワームの変異体がうっかり強過ぎたので、ディレイドの新フォームの登場となりました。
「ファイズアクセルとカブト合体させたら無敵じゃん」とか思ったあなた。
作者は「御都合主義」と「演出」のガイアメモリを持つダブルです。……まぁなにか屁理屈を考えてみましょう。できなかった時は、前述のドーパントが暴れたんですきっと。
ちなみにディレイドのフォームチェンジのシークェンスは、ディケイドのオープニング映像からインスピレーションを受けまして。ほら。あのカット。
それから、これはいずれ本編でも語られると思いますが、もうお気付きの方も多いと思いますが「アンデッド」すら破壊するディケイド・ディエンドを作者の中では「全宇宙属性」とするのに対し、そのスペックダウン機であるディレイドは「無属性」となっています。これがカメンライドを多用する理由で、さもないと透の性格では龍騎とカブトのカードだけ握り締めてジェノサイド、で物語が終わってしまうでしょう。そんなん書いてて楽しない。
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テーマ:仮面ライダー - ジャンル:サブカル

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